アルファベットcapex増額を切り返しで消化、日経は「行って来い」反落 — マーケットブリーフィング 2026-07-23
⚠️ 持ち越し注意・本日/今週のイベント
- 本日7/23(木)夜: インテル決算(米引け後)・ECB理事会 21:15+ラガルド会見 21:45(据置確実視、焦点は9月以降のトーン)。
- 明日7/24(金): ⚠️日本6月全国CPIコア 8:30(予想+1.6%・前回+1.4%=加速予想。上振れなら早期利上げ観測→円買い)、欧米7月PMI速報。
- 来週: FOMC 7/28-29(結果7/30 3:00・今回SEP=ドットなし)・日銀 7/30-31・アドバンテスト+SKハイニックス決算 7/29・キオクシア決算 7/31・MSFT/メタ 7/29・アップル/アマゾン 7/30。
日経平均は前日7/22に66,819円を一度は上抜けながら跳ね返された格好で、この水準が上値抵抗として意識されます。
センチメント
- 日経VI 37.74(7/22・前日比+4.67/+14.12%)=株価が反落に転じたことで警戒感が再上昇。7/21の33.07から上振れましたが、なお30超で「買い場シグナル」ゾーンは点灯継続。ただし勢いは行き来しています。
- CNN Fear & Greed 41.3(Fear)=前日36.9から改善もFear圏に滞留。極端な恐怖(<25)には未到達で、センチメントの本格回復は遅行しています。
日経VIが30超で点灯している点は中期の押し目形成の目安になり得ますが、悪材料起因のショック局面では即効性が鈍る傾向があり、断定はできません。
前日の仮説と検証(7/22実績)
- [イベント前調整] 「アルファベット決算を控え上値限定・引けにかけ伸び悩み」 → ◎的中。日経は寄り+217→ザラ場+1,476円(67,592円)まで急伸後、急失速して**-0.18%(66,115.60)で反落**。「引けの伸び悩み」を超えた完全な行って来い(大陰線)。悲観局面でも高値圏の反発はイベント前に萎みやすい、という経験則が強く効きました。
- [中期] 「アルファベットcapexガイダンスがAI capex論争の本命判定」 → 順行(半導体🔼側)。同社はFY26 capexを約+$15B引き上げ($185-190B規模)、2027年は大幅増を明言。株価は時間外で当初-3.8%→+2.2%へ切り返し、NVDAも+2.3%。市場はcapex増額を"需要の裏返し"として消化しました。
- [中期] 「66,819円奪回トライ」 → 逆行(戻り売り優勢)。ザラ場で一時上抜けたものの終値で跳ね返され、VIも33→38へ再上昇。戻り売りが優勢との判定です。
過去の類似局面では、TSMCの好決算でもcapex増額を嫌気して半導体が続落した例(7/16)がある一方、今回はcapex増額を素直に需要と捉え直す動きが出ました。同じ「capex増額」でも市場の受け止めは局面依存で、過去は将来を保証しません。
主要ニュース
- アルファベット決算がcapex論争の本命判定に(EPS$9.11・売上$119.8B・Google Cloud $24.8B)。FY26 capexを+$15B引き上げ・2027大幅増。株価は当初下落→切り返し。影響=🔼半導体・AIインフラ需要(装置・テスタ・メモリ)。ただしテック本体のフリーキャッシュフロー論争は残存。
- 日経が「行って来い」で反落(ザラ場+1,476円→-0.18%)。自律反発の息切れで66,819円は跳ね返され、戻り売り優勢。影響=🔽短期の上値の重さ。
- 原油WTIが約85ドル=6週ぶり高値。フーシ派の紅海威嚇と米イランの応酬継続(トランプ氏「イランは合意の用意なし」)。影響=🔼原油・資源/🔽空運・内需。
- ドル円163円台=1986年以来の高値水準、165円を視野との見方。影響=🔼輸出・銀行/円安進行で介入警戒。
- テスラは売上+26%も一株益・FCFが未達で時間外下落。ネットフリックスは米市場で急落。
資金フロー
7/22は半導体が寄りで牽引→引けで失速し、同時に内需・ディフェンシブ(リクルート・中外製薬・第一三共・良品計画・ニトリ等)も下落という、リスクオンでもディフェンシブでもない「全面的な戻り売り・持ち高調整」でした。非鉄金属(三井金属)は逆行高。
米国側ではアルファベットのcapex増額とNVDA+2.3%が半導体の需要ナラティブを維持しており、7/23東京は半導体に下支え材料がある一方、前日の息切れと原油高で上値は重い、という綱引きの構図です。単日のノイズと構造フローを分けると、AI設備投資サイクルは「増やしても崩れない」側へ一旦傾いた一方、原油高(インフレ再燃)と戻り売りが上値を抑える、数日〜数週間の時間軸で見るべき局面です。
前日の日本市場(7/22)
日経平均 **66,115.60円(-116.59/-0.18%)と反落。寄り+217円からザラ場高値67,592円(+1,476円)まで買われた後、急速に萎んで大陰線を形成しました。値上がり寄与トップはアドバンテスト(1銘柄で約+468円、31,570円/+1,940)、次いで東京エレクトロン・キオクシア。値下がり寄与トップはファーストリテイリング(-2,730円、78,110円)**で、値がさ内需が指数を押し下げました。業種は非鉄金属・電気機器・ガラス土石が上昇、サービス・小売・陸運が下落。
米国市場(7/22)
- ダウ 52,218.58(-6.06/ほぼ横ばい) / S&P500 7,498.96(-10.24/-0.14%) / ナスダック 25,690.90(-146.30/-0.56%) / ラッセル2000 -0.9%。
- フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の確定終値は本稿執筆時点で取得不可(データ反映遅延)。ただしエヌビディア+2.3%、TSMC値上げ報道の好感で半導体は相対的に底堅い動き。一方でアルファベット本決算前のテック本体はまちまち、ネットフリックスは急落。
- 米10年債利回りは上昇、原油高が重し。
為替・商品
ドル円は163円台前半(1986年以来の高値水準)、ユーロ円186円台。原油高と米金利上昇でドルが堅調です。WTI原油は6週ぶり高値の約85ドル。原油は米国時間に上昇したため、時間差で本日の東京の資源・原油関連に波及する余地があります。
注目銘柄5(母集団=7/22売買代金上位の目立った動き)
戻り売り・自律反発息切れの局面を反映し、方向は🔽寄りの配分です。
- アドバンテスト(6857) — 短期 🔽逆風(中・息切れ/決算7/29接近) / 中期 🔼追い風(要点検)。7/22値上がり寄与トップだが引けで失速。アルファベットのcapex増額は後工程テスタ需要の中期下支えだが、行って来い+決算接近で短期は戻り売り。同業=東京エレクトロン(アドテストの方がHBM/AIテスタ集中でcapex増額に強く振れる)。⚠️決算7/29。
- キオクシア(285A) — 短期 🔽逆風(弱・過熱反動) / 中期 🔼追い風(要点検)。前引け+11%とスクイーズ継続も引けで失速。7/21の+17%からの過熱・需給巻き戻し一巡後の反落リスク。同業=SUMCO(ウエハ川上で市況にワンテンポ遅い/キオクシアはスポット即連動)。⚠️決算7/31・特許控訴。
- ファーストリテイリング(9983) — 短期 🔽逆風(中・戻り売りの象徴)。7/22値下がり寄与トップ。値がさ内需で指数連動が大きく、7/9の通期上方修正後の利益確定・戻り売りが出やすい。同業=良品計画(ファストリは海外ユニクロ・為替感応度が高い/良品計画は国内消費寄り)。
- 三菱UFJ(8306) — 短期 🔼追い風(中) / 中期 🔼追い風(中)。ドル円163円+米金利上昇+原油高で金利環境が継続。7/24の日本CPIコアが触媒。同業=三井住友FG(両者ほぼ連動・三菱UFJは米州比率が高く米金利上昇の恩恵が大きい)。
- INPEX(1605) — 短期 🔼追い風(中・原油高波及) / 中期 🔼追い風(要点検)。WTI85ドルの6週ぶり高値と地政学再燃が追い風。原油は米国時間に上昇したため時間差で本日東京に波及する余地。同業=石油資源開発(INPEXはLNG+原油で分散/石油資源開発は原油に純度が高い)。⚠️停戦受諾ヘッドラインが出れば🔽逆回転。
上値余地・下値リスク(事実整理)
- アドバンテスト・キオクシア: いずれもアナリスト目標株価は株価上昇に追いつかず陳腐化しており、上値余地はPER視点で見る局面。短期は決算(7/29・7/31)通過までの持ち高調整リスク。
- ファーストリテイリング: 7/9の上方修正(通期営業益7,300億円)は織り込みが進み、直近は戻り売りが優勢。既存の目標株価は「保守的な下限」として扱う余地。
- 三菱UFJ: PER14倍台・PBR1.66倍。金利上昇局面では利ざや弾力性が業績ドライバー。
- INPEX: 地政学プレミアム乗せの目標株価は油価急変で陳腐化しやすく、上値余地は過大に出やすい点に留意。
数値・目標株価は執筆時点で確認できたものに限り、将来を保証するものではありません。
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘や投資助言を目的としたものではありません。掲載している数値・情報は執筆時点で確認できたものですが、その正確性・完全性を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。